図書館でたくさん読み聞かせて、繰り返し読む本は家に置くのがおすすめな理由

絵本はたくさん借りて、繰り返し読む本だけ買う。子どもに絵本を読んであげたいけど、どれを買えばいいか迷う方へ。図書館を活用して“うちの子にぴったりの1冊”と出会うための、おすすめの絵本習慣についてお話しします。
「図書館でたくさん読み聞かせて、繰り返し読む本は買ってあげる。」
それが、子どもにできる最高の絵本習慣だと思う。
毎晩寝る前、子どもに絵本を読み聞かせる時間があります。
眠くなっていたはずの子が、絵本を手に持って待っていて、
ページをめくるたびに、声に出して笑ったり、
こちらの顔をじっと見つめたり、
ときには先の展開を口に出して言ってみたりする――
そんな瞬間に、私は毎日の忙しさを少し忘れることができます。
絵本って、特別ですよね。
小さな文字と絵しかないのに、その世界には、
子どもが夢中になる魔法のような力がある。
だからこそ、「もっとたくさん読んであげたい」って、自然に思ってしまう。
でも現実には、絵本を1冊ずつ買いそろえるのは、
金銭的にも、置き場所的にも、そう簡単なことじゃありません。
絵本は“出会い”だからこそ、図書館を味方につける
私が図書館を利用するようになったのは、
「この本、読んでくれるかな?」という不安を減らしたかったからです。
最初のうちは、せっかく買った絵本にまったく興味を持ってくれなかったり、
逆に「まさかこれをそんなに気に入るの?」という意外な本に夢中になったりして、
なかなか“正解”がわからなかった。
でも、図書館で気になる本を10冊、15冊とまとめて借りてみると、
その中に1,2冊、「ぴたりとはまる絵本」が見つかることがある。
子どもがその本を何度も持ってきて、
「よんで」と目で訴える。
文字が少なくても、ページが少なくても、
その1冊にだけ特別な思い入れを持っている。
「また読んで」がはじまったら、その本は“家族の本”になる
たくさん借りた本の中で、何度も何度も読んだ1冊。
それは子どもの中で、ただの「絵本」ではなく、
安心できる時間や、気持ちを落ち着ける儀式のようになっていきます。
夜、眠る前にその本を読まないと寝られなかったり、
出かけるときに「これ持っていく」と言って手放さなかったり。
ページの折れやシミにさえ愛着を持つようになる。
そんな本は、図書館に返すだけじゃ、もう足りない。
“うちの子の本”として、家に置いてあげたい。
それが私が「買うべき本」を決める基準になりました。
家に置いておきたい絵本には、ちゃんと理由がある
図書館で出会う絵本は“広く浅く”読むのにとても適しているけれど、
じっくりと時間をかけて親子で楽しみたい本は、やっぱり手元にあったほうがいい。
たとえば、図鑑。
図鑑は図書館で借りられないことが多いし、
借りたとしても返却期限が気になってじっくり読めない。
でも、家に一冊「はじめての図鑑」があるだけで違います。
テーブルの上や、リビングの棚など、子どもの視界に入る場所に置いておくと、
ちょっとした時間にページをめくって、「これなあに?」「見て!」がはじまる。
図鑑は、1日5分の繰り返しで“知識の土台”を育ててくれる本だと思います。
そして、日本昔ばなしのような教養系の本も。
これは一冊一冊というより、セットで家にあることが大切。
昔話は何度も読んで、耳で覚えて、
自分でお話を語れるようになっていく本。
図書館で1冊ずつ借りるよりも、
何度でも読める環境をつくってあげたほうが、記憶に残る読書体験になると感じています。
さらに、音が出る絵本。
これは図書館では借りられません。
ボタンを押すと歌が流れたり、動物の鳴き声が鳴ったり。
五感を刺激してくれる絵本は、年齢が小さいほど反応が大きいので、
1冊でも持っていると読み聞かせのバリエーションが広がります。
借りることで出会いを広げ、買うことで安心を積み重ねる
図書館は、まだ知らない絵本との出会いの場。
そして、繰り返し読みたくなる本は、家にあることで
子どもにとっての「安心」や「自分だけの時間」をつくってくれる存在になります。
借りると買う――どちらかに偏る必要なんてありません。
たくさん借りて、厳選して買う。
それは、絵本というかけがえのない時間を、
無理なく・でも確実に積み上げていくための最良の方法です。
迷ったときは、まずは借りてみる。そして、何度も読まれたその本を“家族の本”に
「どれを買えばいいか分からない」
「読んでくれるか分からない」
「失敗したくない」
そんな気持ちは、私も何度も経験しました。
だからこそ、まずは図書館で借りてみることをおすすめしたい。
その中で、何度も読まれる1冊に出会えたら、
そのときこそ“買ってあげる”タイミング。
絵本は、親が子どもにあげられる
「ことばの贈りもの」だと思っています。
だからこそ、たくさんの本と出会って、
その子にとっての「特別な1冊」を、ぜひ見つけてあげてください。
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